4. ロゴデザインの実際_調査・分析

目次

調査・分析手法

ロゴデザイン開発受注後、まず最初に調査・分析を行います。
手法としては、ヒアリング、既存資料分析、他社事例分析などがあります。

ヒアリング

ヒアリングは、ロゴデザインにおいて最も大切なプロセスです。
ここでクライアントの意向を正しくくみとれないと、デザインの方向性が定まりません。
自社(Company)、市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)の3Cの視点からのヒアリングが有効で、ここで得た情報と顧客に与えたい印象の整合性を図ることが重要です。
ヒアリングの相手は企業ロゴであれば経営者、商品ロゴであれば担当部門の意思決定者が望ましいです。
主に下記の項目をヒアリングします。

1. ロゴ開発の目的

新規なのか、既存のリファインなのか、リファインの場合はそのレベル、何を目的にロゴ開発を行うのかを確認します。

2. 自社ブランドの特徴

事業内容、事業への想い、企業理念やブランドコンセプト、特徴(強み、弱みは何か)など、自社ブランドについて詳しく情報共有します。

3. 市場の動向

ブランドが属する市場の規模や特徴、トレンドなどを把握します。

4. コアターゲット

顧客を明確にイメージできるようにするため、コアとなる顧客の年齢、性別、職業、年収、ライフスタイルなど(ペルソナ)を聞き出し、コアターゲットのニーズを把握します。

5. 競合他社ブランドの特徴

競合他社との差別化を図るため、具体的に競合他社を複数リストアップしてもらい、各社の業界シェアやポジション、特徴を聞きます。

6. 3C視点からの目指す場所

競合他社と重ならず、市場・顧客と自社が重なった場所が狙うところとなります。

7. 展開する媒体

展開する媒体によって機能的な制約が発生する場合があります。想定している媒体を共有してロゴ制作上の縛りを確認します。

8. ネーミングの由来

通常ネーミング自体にブランドのコンセプトや想いが込められている場合が多く、ロゴのモチーフとなることもあるので、その由来を確認します。

9. ロゴのスタイルと種類の希望

マークのみ、ロゴタイプのみ、マーク+ロゴタイプの中からどのスタイルを希望するのかを確認します。
また、マークを設定する場合は、具象、抽象、イニシャルなどモチーフの希望を聞きます。
特に希望がない場合は、設定するコンセプトをベースにこちらから提案します。

10. ロゴタイプの表記、カラーの希望

ロゴタイプの表記は欧文か和文か、欧文の場合はすべて大文字か、単語の先頭のみ大文字か、すべて小文字かを確認します。また、書体の希望があれば聞きます。そして、ロゴのカラーの希望も確認します。
特に希望がない場合は、設定するコンセプトをベースにこちらから提案します。

11. 顧客に与えたい印象

これがロゴデザインのゴールとなる中心的な指標となります。
カジュアル、親しみやすい、可愛いイメージなのか、未来的、クール、先進的なイメージなのか、伝統的、高級感、フォーマルイメージなのかなど、イメージのキーワードを設定します。
また、伝統的↔︎現代的、親しみ↔︎クール、カジュアル↔︎フォーマルなどの軸を設定してポジショニングマップを作り、競合他社ブランドもプロットした上でデザインの方向性を設定する場合もあります。
ヒアリングで得られた他の情報と顧客に与えたい印象の整合性を図ることが重要です。

12. 見本にしたいロゴ

言葉だけでなく、クライアントがイメージしている見本のロゴデザインがあれば、共有することで希望するイメージに対する理解が深まります。

既存資料分析

企業理念やブランドコンセプトをまとめた資料、広報資料、販促物や広告、ホームページ、SNS、各種調査資料など、
入手可能な既存の情報を洗い出し、目指すべき方向性を定める参考とする。

他社事例分析

競合他社ブランドのロゴを収集し、デザイン上の差別化を図る参考とする。

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